就活で最初に立ちはだかるのが「エントリーシート(ES)」です。ガクチカや自己PR、志望動機などを自由記述で答えることが求められます。普段、就活生の相談を受ける身としてとても多い質問が「文字数ってどのくらいがベストなんですか?」というものです。ある学生は「短くすると熱意が伝わらない気がする」と言い、別の学生は「書きすぎるとまとまりがなくなってしまう」と悩んでいる、、、。多くの就活生が、文字数の加減で不安を抱えている状態です。そこで、この記事では、就活のプロが実際に学生を指導してきた知見をもとに、エントリーシートの適切な文字数と割合について徹底的に解説します。さらに、「足りないとき」「超えてしまったとき」の調整方法や文字数以外での工夫、そして文字数別の具体例文まで網羅的に解説していきます。この記事を読み終える頃には、「文字数ってどうしたらいいんだろう?」という迷いから解放され、安心してESに向き合えるようになるはずですので最後までご覧ください!【結論】エントリーシートの文字数は『9割以上』にしようまずは結論からはっきりお伝えします。エントリーシートは、指定された文字数の9割以上は埋めるようにしましょう。例えば「400字以内」と書かれていたら、少なくとも360字以上は必要です。これが一つの大きな基準です。採用担当者からすると「文章力と自己分析力」を見ているため、例えば半分以下しか書かれていないと、「思考が浅いのかな?」「本当に志望意欲があるのかな?」と感じられてしまいます。9割以上埋まっていれば、きちんと考えを整理している印象を持ってもらえるでしょう。実際に、我究館生を見ていると、内定者の多くは「文字数の9割前後」を書いていたという傾向があります。これは偶然ではなく、学生の熱意を測る指標として文字数が機能しているからです。エントリーシートの最適な文字数エントリーシートには大きく2つのパターンがあります。文字数指定がある場合とない場合です。それぞれのケースに応じた文字数の目安を見ていき、対策をしていきましょう。文字数指定がある場合:9割以上文字数指定がない場合:300〜400文字程度文字数指定がある場合:9割以上文字数指定がある場合は、必ず9割程度を目安に書きましょう。具体的な目安は以下のとおりです。300字以内 → 270字程度、400字以内 → 360字程度、500字以内 → 450字程度、600字以内 → 540字程度これくらい埋まっていれば、採用担当者に「しっかり書いているな」と感じてもらえます。上記未満の場合には、中身というよりも量の段階で熱量のない学生と思われてしまうリスクが高いです。文字数指定がない場合:300〜400文字程度一方、指定がない場合には、300〜400文字程度がベストです。これは、200文字以下だと情報不足に感じられ、500文字を超えると冗長になりがちだからです。特に自己PRや志望動機は300〜400文字を目安にすると、読みやすく、かつ自分の強みもきちんと伝えられる分量になります。端的にかつ具体的のバランスが取れているのが300~400字ということが出来るでしょう。エントリーシートで文字数が足りない時の対策9割以上は埋めた方がいいと分かっていても、実際に書いてみると「どうしても200文字くらいで止まってしまう…」という悩みを抱えてしまう学生は多いです。多くの場合、文章が短くなってしまうのは伝えたいことがないのではなく、膨らませ方が分からないだけだったりもします。ここでは、文字数が足りないときにすぐ実践できる3つの対策を紹介します!対策①数字や固有名詞を入れて具体化する対策②背景や課題を丁寧に書く対策③学びや成長をしっかり言語化する対策①数字や固有名詞を入れて具体化する文章が短くなってしまう原因のひとつは、抽象的な表現にとどまっていることです。たとえば「アルバイトで売上を伸ばしました」と書くだけでは20文字程度で終わってしまいますが、「アルバイトで売上を前年比120%まで伸ばし、月の来客数を平均150人増やしました」と書くと一気に具体性が増し、文字数も自然に膨らみます。数字は読み手にとってイメージしやすいので、説得力を高める効果もあります。「どのくらい?」「どんな規模?」という採用担当者の疑問に応えるつもりで数字を入れると良いでしょう。また「アルバイト」ではなく「大手チェーンのカフェ」「地域の個人経営居酒屋」と具体的に書くだけでも情報量が増え、文字数が伸びやすくなります。対策②背景や課題を丁寧に書くもうひとつのポイントは、結果だけに偏らず、そこに至るまでの背景や課題も盛り込むことです。短い文章になりがちな学生は、「私はアルバイトでリーダーを務め、売上を伸ばしました。」と、結論だけをシンプルに書いてしまう傾向があります。これだと30文字程度で終わってしまいますよね。例えば「当時の店舗はスタッフの離職が続き、人手不足で接客が行き届かない状況でした。その課題を解決したいと思い、私はアルバイトリーダーとして〜」といった形で背景を説明してみましょう。課題を示してから行動を書くとストーリー性が生まれ、読み手が状況をイメージしやすくなります。結果的に文字数も増え、採用担当者に「この学生は状況をきちんと分析している」と伝えられるんです。対策③学びや成長をしっかり言語化する多くの学生が見落としがちなのが「経験から何を学んだのか」という部分です。行動や成果を詳しく書いても、「そこからどう成長したのか」を書かないと文章はどうしても薄くなってしまいます。例えば「チームをまとめて売上を伸ばした」だけで終わると15文字程度ですが、「メンバー全員が気持ちよく働けるように声をかけ、結果的に店舗全体の雰囲気が良くなり、数字としても成果が表れました。この経験から、成果を出すためには周囲との信頼関係づくりが欠かせないと学びました。」と書けば、一気に5倍近くになります。学びの部分は多少膨らませてもマイナスにならず、むしろ評価につながります。なぜなら企業は「この学生を採用したらどう成長するのか」に注目しているからです。しっかり話をまとめながら学びや成長をイメージさせて自分をアピールしていきましょう!エントリーシートで文字数が超過してしまった時の対策9割以上埋めるのが大事だ!と分かっている学生の中には、逆に「気づいたら文字数オーバーしてしまった…」と悩む場合も少なくありません。特に熱意のある人や経験をたくさん語りたい人ほど、どうしても文章が長くなりやすいものです。ただし、指定文字数を超えてしまうと単純に提出ができないですし、ギリギリで無理やり詰め込むと読みづらい文章になってしまいます。大切なのは「伝えたいことを絞り、採用担当者が負担なく読める形に整えること」です。ここでは、文字数がオーバーしたときに役立つ3つの対策をご紹介します。対策①要点を一文にまとめる対策②過程と学びを優先し、前提の説明は整理する対策③言い回しをシンプルにする対策①要点を一文にまとめる文字数が多すぎる場合、似た内容を何度も書いてしまっていることがよくあります。例えば次のようなケースが該当します、どこをどのようにまとめるとよいのか参考にしてください。修正前「私はゼミ活動に力を入れました。活動を通じて学んだことはとても大きく、特に仲間と協力する大切さを学びました。その中でも一番印象的だったのは、仲間との関わり合いを通じて協力の重要性を実感したことです。」(100字)修正後「私はゼミ活動を通じて、仲間と協力する大切さを学びました。」(40字)同じ内容を言い換えて繰り返している部分を、シンプルに一文にまとめるだけで大幅に文字数を削減できます。さらに、言いたいことは一つに絞ることを意識するだけで、一気に伝わりやすくなりますので意識してみてください。対策②過程と学びを優先し、前提の説明は整理するエントリーシートの評価で一番重要なのは、「その経験を通じて何を得たのか」です。細かい経過や前置きが長すぎると、結果や学びにたどり着く前に文字数オーバーになってしまいます。例えば、サークルでの経験を書くとき、練習の頻度や活動日程を細かく説明する必要はありません。それよりも「練習を増やす工夫をした結果、大会で準優勝できた。そしてそこから継続力の大切さを学んだ」と簡潔にまとめた方が採用担当者には伝わります。オーバーしてしまったときには、「背景 → 行動 → 結果 → 学び」のフレームに立ち返り、それぞれを2〜3文でコンパクトにまとめ直してみましょう。対策③言い回しをシンプルにする文字数オーバーの原因は「言葉が回りくどい」場合もあります。たとえば次のような文章です。修正前「そしてその後に私はさらに改善を進めていくための取り組みを行いました。」(35字)修正後「その後、改善に取り組みました。」(15字)このように、不要な接続詞や冗長な言い回しを削るだけで、文字数を大きく削ることができます。また、「〜することによって」は「〜で」、「〜という風に」は「〜のように」など、短く言い換えられる表現は積極的に削っていきましょう。小さな文字数削減の積み重ねが最後の1文字2文字に大きな影響を与えてきますので、チリも積もればです!文字数以外でエントリーシートを読みやすくするポイントエントリーシートは「何文字書くか」ばかりに目がいきがちですが、実はそれ以上に大切なのが「読みやすさ」です。どんなに9割を埋めても、文章が詰まりすぎていたり、論理が飛んでいたりすると、採用担当者にはなかなかうまく伝わりません。大手企業の採用担当者は1日に何百枚ものエントリーシートを読むことも珍しくありません。だからこそ、スッと頭に入ってくる要点が分かりやすい文章はそれだけで評価が上がります。ここでは、文字数以外に意識してほしい3つのポイントをご紹介します。ポイント①段落を分けて整理するポイント②結論を先に書くポイント③主語と述語をシンプルにポイント①段落を分けて整理する文章を詰め込みすぎてしまうと、読み手はどこが重要なのかが分からなくなります。読みやすいエントリーシートの基本は、段落を分けてストーリーを整理することです。たとえば背景→行動→結果→学びという流れで書く場合、それぞれを1段落ごとに分けましょう。1段落目:その経験をしたきっかけや背景2段落目:自分が実際に取った行動3段落目:その結果どうなったか4段落目:そこから何を学び、どう活かすかこのように区切るだけで、読み手は今は背景の話をしていて、次は結果の部分だなと自然に理解できます。また、改行は文章に余白を生みます。余白は読み手にとっての休憩ポイント。長文であっても、段落ごとに余白を入れるとグッと読みやすくなります。ポイント②結論を先に書く我究館でもよく「結論ファースト」を教えていますが、エントリーシートでも同様です。長々と状況説明をしたあとにようやく「私が頑張ったのは〜です」と書いてしまうと、読み手は途中で集中力を失ってしまいます。おすすめは、最初の1〜2文で「私は◯◯に取り組み、△△を成し遂げました」と結論をはっきり伝えることです。そのあとになぜそれに挑戦したのか、どんな課題があったのかを補足する形にすると、全体の流れがスッキリまとまり、読み手も順を追って理解していく子ことが出来ます。結論を冒頭に置くことで、採用担当者が「この学生はこういう経験をアピールしたいんだな」と理解した上で続きを読めるので、安心感が生まれます。安心感を持った学生には面接で会ってみたいなという感情に繋がります。そうすればESの目的としては十分果たすことが出来ますよね!ポイント③主語と述語をシンプルに文字数を多く書こうとすると、どうしても文章が長くなりがちです。でも、一文が長すぎると、結局何をが言いたいのかがと伝わりにくくなってしまいます。例えば次の2つを比べてみてください。良い例ではムダが省けてスッキリしていることが理解できると思います。悪い例「私はアルバイト先において、来客数が減少していたために改善策を考えることになり、その際に自分なりに工夫をしてメンバーに働きかけを行ったことで結果的に売上の改善に貢献することができました。」(76字)良い例「私はアルバイトで来客数減少という課題に直面しました。改善策を考え、メンバーに働きかけた結果、売上を改善できました。」(51字)短く区切っても、内容はしっかり伝わりますよね。主語と述語をシンプルにつなぎ、必要に応じて文を2つに分けるだけで、読みやすさは格段に上がります。こうしたシンプルさも読み手にとっては重要で、難しいことを理解させるのではなく、以下に自然にすっと頭に入りやすい表現・文章を作っていくのかにこだわりましょう。【文字数別】エントリーシートの例文エントリーシートの文字数は、設問によって「300字以内」「400字以内」「500字以内」などの幅があります。設定された文字数によって表現の仕方や情報の取捨選択は変わってきます。ここではそれぞれの文字数でどのような粒度まで説明していくべきなのか、文字数ごとのサンプルも紹介しながら書き方を実際に見てみましょう。300文字の場合400文字の場合500文字の場合300文字「私はカフェのアルバイトで、来客数減少という課題の解決に取り組みました。当時は常連客の来店が減り、売上が落ち込んでいました。そこで私は、接客の質を高めると同時に、新規のお客様に次回割引券を配布する施策を考案しました。スタッフ全員に協力を依頼し、笑顔や声かけを徹底した結果、来客数は3か月で120%に回復しました。この経験から、課題を分析して具体策を実行に移す力を身につけました。今後はこの行動力を活かして成果につなげたいです。」300文字の場合、背景 → 行動 → 結果 → 学びを1〜2文ずつまとめ、シンプルに端的に伝えるのがポイントです。400文字「私はゼミ活動において、学園祭での研究発表企画をまとめるリーダーを務めました。企画段階ではメンバーの意見がばらばらで、話し合いが長引くことが多く、進行が遅れていました。私はまず、全員の意見をホワイトボードに書き出し、重複や類似点を整理することで議論をスムーズに進めました。また、会議の冒頭にゴールと時間を提示する工夫を取り入れました。その結果、議論の方向性がまとまり、予定どおりに研究発表の準備を終えることができました。学園祭当日には多くの来場者に関心を持っていただき、ゼミとしても高い評価を得られました。この経験から、リーダーシップとは自分の意見を主張することではなく、全員が発言しやすい環境を整えることだと学びました。」400文字になると、課題の具体性や工夫した方法をやや詳しく入れられます。読み手が状況を想像しやすくなり、説得力が増します。500文字「私は体育会サークルの副キャプテンとして、部員の士気を高める取り組みに力を入れました。当時は練習の厳しさから途中退部する部員が相次ぎ、チーム全体の雰囲気も沈んでいました。私はこの状況を改善するため、まず部員全員にアンケートを行い、不満や要望を集めました。その結果、『練習が単調で達成感が薄い』という声が多く挙がったため、練習メニューを見直し、短時間で成果が見えるサーキット形式を導入しました。また、練習後には必ず全員で振り返りの時間を設け、互いの良い点を言葉にして伝え合う仕組みをつくりました。こうした取り組みによって退部者は減り、出席率も向上しました。さらに、チームの雰囲気が良くなったことで試合成績も伸び、リーグ戦での上位入賞につながりました。この経験から、課題を客観的に把握し、メンバーを巻き込みながら改善を実行する力を培いました。今後も組織の成果に貢献できるリーダーシップを発揮していきたいと考えています。」500文字では、背景・課題 → 工夫した行動 → 数字や結果 → 学びと将来への活かし方まで、物語を長尺で説明することができます。採用担当者に「この人の人柄や強み」をより深く理解してもらえる文量です。エントリーシートの文字数についてよくある質問エントリーシートを書いていると、これはどうしたらいいの、、と細かい疑問がたくさん出て来ると思います。ここでは、私が普段学生からよく聞かれる質問を挙げて回答していきます。ちょっとした不安を解消しておくことで、安心して作成に集中できると思うので参考にしてみてください!簡潔にと指定されたらエントリーシートは何文字書けばいい?手書きのエントリーシートの時は文字数はどうしたらいい?簡潔にと指定されたらエントリーシートは何文字書けばいい?「簡潔に」と書かれている場合、200〜300文字程度に収めるのがおすすめです。100文字未満だとあまりに短くて伝わりにくいですし、400字を超えると「簡潔さ」を欠いてしまいます。この場合は、「結論 → 理由 → 学び」の3点を1〜2文ずつ書けば十分です。余計な背景説明をなるべく省き、端的にまとめていきましょう。手書きのエントリーシートの時は文字数はどうしたらいい?手書きの場合も、枠の7〜9割を埋めていくのがよいでしょう。枠がスカスカだとやる気がないように見えてしまいますし、逆にギチギチに詰めると読みづらくなります。文字は少し大きめで、余白を残すくらいの方が「読みやすい」「丁寧に書かれている」と好印象です。見た目のバランスを大事にしていきましょう。通過できるエントリーシートを作成するなら我究館の無料相談この記事ではエントリーシートの文字数について、例文や良い例・悪い例なども交えながら徹底解説をしてきました。エントリーシートは就職活動における第一関門です。せっかく時間をかけて準備しても、文字数の配分が悪くて伝わらなかったり、熱意があるのにまとまらないという理由で、諦めてしまう学生は少なくありません。我究館では、第一志望内定率93.4%の実績を誇るプロのコーチが、一人ひとりのESを丁寧に添削しています。コーチング技術によってあなたの経験や想いを引き出し、採用担当者の心に届く文章に整えるサポートを行います。無料相談では、単なる添削ではなくなぜ我究館生がESを通過できるのかという考え方も学べます。文章力を磨くだけでなく、自己理解を深め、今後の面接や自己PRにも活かせるのが我究館の特徴です。就活は時間との勝負です。迷っている時間を、未来への準備に変えてみませんか?あなたのエントリーシートが伝わる文章へと変わる、そんな第一歩をぜひ無料相談で体験してください!