就職活動や転職活動を進めるなかで、なかなか自己分析のやり方がわからない、、、そんな方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、自己分析のやり方の一つである『SWOT分析』について解説をしていきます!就活初心者の第一歩としてはもちろん、ある程度就活が進んできてもう一段階自己分析のレベルを上げたい方や転職で最大成果を出したい方にもおすすめの方法ですので、この記事を読んで、ぜひ納得の行く自己分析につなげてみてください!目次SWOT分析とはSWOT分析とはなにか?簡単に言うと、「自分の強みや弱みを、社会にどのように落とし込んでいくか考えること」ということが出来るでしょう。Strengh(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ってSWOTと表現されていますが、これは企業が自社の経営戦略や商品開発などにおいても用いる分析方法でもあります。自分たちと他者を比べたときに、どのようなビジネスチャンスがあるのか、どうしたらお客様に魅力が伝わるのかを考える際に有効な手段です。これは就活においても応用をすることが出来ます。自分を他の就活生と比べたときに、どのように売り込むと企業に魅力が伝わるのか、企業に対してはどんなことを注意していくとよいのかを可視化することで、就活を乗り越える戦略が見えてきます。SWOT分析の4つの項目SWOT分析の4つの項目は大きく2つの環境要因に分類することが出来ます。それではS/W/O/Tそれぞれの項目について、詳しく見ていきましょう!Strengh(強み)まずは内的環境要因のStrengh(強み)について解説します。これは、あなたが他者よりも秀でている点について書き出すと効果的です。ここで大事にしたいポイントがあります、それは『相対的』という観点です。自分が思っている強みが、世の中的に見て本当に強みなのか、その相場を知るようにしてください。就活という競争の中で、いくら自分が強みだと思っていても、相場からするとそんなことはないという事が多々あります。同じ就活生と見比べたときに、自分はここに長けている、ここをアピールすれば相手に伝わるという項目を書きましょう。Weakness(弱み)続いて内的環境要因のWeakness(弱み)について解説します。こちらは自分が苦手なことを書き出す項目です。この項目で特筆したい点は、強みを裏返すという観点です。人間の個性は、強みがあるからこそ弱みがあります。就活においても弱みを聞かれる場面があると思いますが、強みと弱みが同じラインの上になっていないと、弱みだけが目立ってしまうことがあります。弱みが目立ってしまうと、企業は採用をためらいます。いわゆるネガティブチェックの観点です。そのため、自分の強みはなんなのか、その強みがマイナスに働く場面はいつなのかを明確にできると自ずと弱みが見えてくると思います。Opportunity(機会)ここからは外的環境要因に移ります。1つ目はOppotunity(機会)です。機会というと抽象的な表現で分かりにくいかもしれませんが、簡単な言葉で言い換えると”追い風”だと捉えることで少し分かりやすいのではないでしょうか。つまり就活市場や社会において、自分に吹くであろう追い風として考えられそうなものを書き出してみてください。例えば、新卒から裁量のある仕事が出来る環境が増えている、自分の学んできたこととのつながりが分かりやすい、インターンの機会が多く企業との直接接点が多いなどが挙げられます。Threat(脅威)そして外的環境要因の2つ目がThreat(脅威)です。こちらは機会の逆をなしますので、簡単な言葉で言い換えれば、”向かい風”と捉えてみてください。就活市場や社会情勢から自分にとってマイナスになるうる状況を把握することが脅威の洗い出しになります。例えば、人気企業の倍率は高止まりで競争は激しい、就活が早期化していて動き出しが遅いとチャンスを失う、IT関連産業は伸びているが製造業や小売ではDXの対応に追われている、などが挙げられます。こちらも機会同様に、世の中の動き、就活の流れを把握する必要がありますので、新聞やニュースを定期的にチェックすることはもちろん、専門家に確認をすることも大事になってきます。SWOT分析が自己分析で使われる理由ここまでSWOT分析について、その項目などを説明してきましたが、改めてなぜ自己分析でよく使われるのでしょうか。その効果や活用方法について解説していきましょう!より実践的な内容だから世の中のことをより知ることができるからより実践的な内容だから理由の1つ目として挙げられるのは、より実践的であるということが挙げられます。自己分析を行う上で、多くの方が躓いてしまうのが、なぜ自己分析を行っているのかわからなくなってくるという悩みです。その悩みを解決してくれるのが、SWOT分析であり、自分の強み・弱みを社会にどのように実装していくのかを考えることで、自分の将来像をイメージしやすく、より実践的な自己分析が出来るというメリットがあります。企業も戦略や方向性を検討する上で活用しているかなり実践的なフレームワークになりますので、自己分析に行き詰まった人はSWOT分析をしてみると、よりやらなければならないことが明確になってくるかもしれません。世の中のことをより知ることができるから理由の2つ目は、世の中のことに対して知覚できるという点があります。学生が就職活動を行う中で、新聞を見ることやニュースを見る際に何を見れば良いのかわからない、という方が多くいます。その際に、SWOT分析を行うと、自分と関連づく機会や脅威は何なんだろう?という視点で世の中の出来事に知覚するようになっていきます。SWOT分析が定着してくると、ニュース一つとっても、『今の自分にはどのような影響があるのかな』といった探求する姿勢が身についてくるでしょう。自分のことに詳しくなることはもちろん大事ですが、社会という市場の中で自分という存在がどのような立場に置かれていて、その中でどのように戦略をたたえていくと有効なのか考えられるようになると、就活の戦略としては非常に良いものが出来上がります。SWOT分析を活用した自己分析の参考例それでは実際にSWOT分析を活用した自己分析のやり方をご紹介していきます。こちらはあるIT系志望の学生の強みと弱みを事例として紹介しますので、ぜひイメージしながら読んでみてください!Strengh(強み)・研究室では、自ら外部環境にアンテナを張り情報収集をすることを学び、実行してきた。・研究室の同期や後輩に機会の操作方法を教える場面があり、相手の目線に立って一緒に不明点を乗り越えることが得意・テニスサークルでは副キャプテンを務め、キャプテンとチームの方向性を決めたり、メンバーの個性に向き合ってきた・人と話をするのが好きで、接客業のアルバイトにおいても自らお客様に話しかけ役に立つことに充実感を感じるWeakness(弱み)・モチベーションの持続に課題があり、テニスサークルも途中で意欲が減退し退部寸前まで検討したことがある・研究に対しても、教授の方向性と自分の意見が食い違ったときにモチベーションがすごく下がってしまった・人と話をするのが好きな一方、黙々と自分の作業を行い続けるときには集中力が持続しない傾向がある・成長意欲はあるが、厳しすぎる環境を前にすると絶望的な気持ちになってみがはいらなくなる時があるOpportunity(機会)・少子化の影響もあり、有効求人倍率は高い状態を維持している・世の中的にはIT業界はDX推進という追風が吹いており、企業としても採用活動を拡大しているところが多い。・IT業界は未経験でも応募出来るなかで、大学で情報を学んでいたことは相手に納得感を与えるうえでプラス要素なのではないか。・先輩の動向を見ていても、IT系の進路は親和性が高いように見えるThreat(脅威)・優秀な学生は大手企業を始めとする人気企業に集中していて、平均値以上に志望企業への道のりは険しい恐れがある・情報系の学生の中でも、コミュニケーション能力が高くない学生は、企業からは求められていない・IT業界は未経験でも応募ができるからこそ、自分たち情報系学生の存在意義が薄くなってしまう・DXの普及によって仕事の内容が機会に置き換わり、新卒採用そもそもの数が減ってしまうかもしれないまとめこの学生は、自分の情報系という専門性をもとに内的環境要因をまずは洗い出し、そこに繋げるかたちで外的環境要因を洗い出していました。自分を客観視したからこそ、IT業界への攻め方が可視化され、見事に人気企業であった第一志望への内定を獲得しています。このSWOT分析をする中で、外的環境要因であるOとTについては調べれば出てくるという点は押さえておきたいポイントです。裏を返すと、内的環境要因であるSとWについては、ネットで検索をしても出てきません。自分の過去を振り返り、強み・弱みの根拠を思い出してみると良いでしょう。現在のあなたを形成しているのは間違いなく過去の自分です。今一度、過去→現在→未来の観点で自分と向き合ってみてください。未来に向けた戦略が見えてくるはずです。自己分析のやり方について、もっと詳しく知りたいという方は以下の記事も参考にしてください!【完全版】内定を獲得するための自己分析のやり方を徹底解説【学生の就活】SWOT分析を使った自己分析のポイントここからは、学生が就活をする際にSWOT分析を使った自己分析をする際のポイントを解説していきます!ただ闇雲にSWOTに当てはめても効果は薄いので、要点を押さえてより効果的な分析につなげていきましょう!強み弱みの根拠があるか他の人ではたどり着けない情報に辿り着いているか強み弱みの根拠があるかポイントの1つ目は、内的環境要因に対する根拠の有無という観点です。あなたの強み・弱みには根拠があるのかないのかが重要であるということです。根拠になるのは、過去にどんな経験をしてきたのかにほかなりません。みなさんが面接官だった際に学生が「私の強みは〇〇です!根拠はないのですがそう思います!」という学生がいた場合に、採用したいと思うでしょうか?答えは明確ですよね。企業の面接官が求めているのは納得感です。必ずアピールする際にはその根拠を述べるようにしてみてください。他の人ではたどり着けない情報に辿り着いているかポイントの2つ目は、外的環境要因について、他の人ではたどり着けない情報までよく調べられているかどうかという観点です。誰でもネットが使える現代社会だからこそ、外的環境要因であるOとTに関しては、情報の希少性が大切になってきます。検索サイトで出てきた一次情報のみで終わるのではなく、実際に働いている人のもとに足を運んだり、新聞やニュースなどから継続的に情報を収集する事によって、他の就活生ではなかなかたどり着けない情報まで確保するようにしましょう。そうすることで、あなたが立案する戦略は、他者よりも抜きん出たものになり、それは同時に企業の人にも評価されやすいものになるはずです。【社会人の転職】SWOT分析を使った自己分析のポイント続いて、社会人の方向けにSWOT分析のポイントをお伝えしていきましょう。これは新卒採用とキャリア採用の違いといったところにも大きく作用してくるため、参考にしてください!実績がある強みになっているか自業務に付随する外的環境要因に触れられているか実績がある強みになっているか1つ目のポイントは、実績がある強みを述べられているかどうかです。新卒採用では経験やエピソードである程度判断してくれたものが、キャリア採用においては、アウトプットで判断されてしまうという難しさがあります。つまり自分の強みを述べたいのであれば、成果としてこのような実績があるというのはセットで相手に伝えていく必要があります。学生に対してはポテンシャルで、今後の伸びしろ・将来性をみて企業は判断していきますが、キャリア採用では即戦力として判断をしてきます。育成コストなどをかけずに即戦力になってくれるからこそ高い給与条件でオファーをくれるという点がありますので、その点に留意していきましょう。自業務に付随する外的環境要因に触れられているか2つ目のポイントは、自業務に付随する外的環境要因に触れられているかといった観点です。社会人の仕事で陥りがちなのが、自業務には詳しいけれど、その周辺知識が乏しい状況です。これは会社で仕事をするうえでは十分な知識量かもしれませんが、転職を通じてステップアップをしていきたいのであれば、情報のレベルと範囲を一段階高める必要があります。キャリア採用においては、面接官もエキスパートが担当することが多いため、知識や経験のみならず関連知識など多面的に深堀りをされることがあります。その際に、自業務のことしか知らないという状況は不利になってしまうため、自業務の周辺分野についてもしっかりアンテナを張り対策していきましょう。SWOT分析を使った自己分析についてよくある質問SWOT分析の他に自己分析に使えるフレームワークはある?SWOT分析の他に自己分析に使えるフレームワークはあるのか、答えはたくさんあります!目的によってその有用性は異なるのですが、私が一番オススメしたいのは、”自分史の作成”です。自分の歴史をまるで伝記のように書き起こしてみてください。意外と忘れている記憶があったり、今思えばすごくためになる経験をしていたり、自分の過去に対して、透明性を持てるようになることが出来るのが自分史の最大のメリットです。書き起こしたら、各年齢ごとにタイトル付をしてみてください。例えば、小学4年生の1年間は、タイトルをつけるとすればこれだ!というまとめの作業をしてみると、端的に自分の過去のことを言語化する能力が身につくでしょう。SWOT分析の各項目がなかなか思いつかないときはどうしたらいい?SWOT分析の各項目が思いつかない場合の対処法として、初めから完璧を求めすぎないというのがアドバイスになります。最初から完璧を求めようとせず、まずはなんとなくでも構わないので自分なりの内容を書き出してみましょう。書いていく中で、どんどん本音が出てきたり、アピールしたい箇所が次々と表れてくることも多いのが実態です。まとめこの記事ではSWOT分析の有用性並びにその具体的なやり方まで、事例も交えて紹介をしてきました。SWOT分析は、自己分析のみならず戦略を立案するうえでも非常に有効な手段ですので、即効性を求める方にはおすすめの手法です。一方で、そもそも自己理解の土台がままならない方などには、ハードルが高く見えてしまう点もあります。自分の現在地を見極めながら、SWOT分析をうまく活用して後悔のない就活を展開していってください。我究館でもモチベーショングラフを始めとする様々なワークシートを用いて、深く多面的な自己分析をサポートしています。この記事を読んで、就職活動の土台である自己分析がかなり大事だなと感じた方は、ぜひ我究館で徹底的に自分と向き合っていきましょう!