就活でガクチカを聞かれることはよくありますが、人によっては大学時代に頑張ったことがなく、高校時代のエピソードを話したいけど大丈夫だろうかという不安を感じている人は多いと思います。今回は、これまで1万人以上の内定者を輩出してきた就活塾「我究館」のコーチが、高校時代のガクチカに関して解説していきます。最後まで読めば自信を持ってガクチカを話せるようになるため、ぜひチェックしてみてください。目次ESや面接のガクチカは高校時代に頑張ったことでもいいのか基本的には、ガクチカを聞かれている際は、大学生時代のことを伝えましょう。なぜなら学生時代とは大学生のことを指し、高校生は生徒に分類されるためです。そのため、ガクチカを聞かれた際には大学生の話を書くことを推奨しています。しかし、もし大学で頑張ったことが何もなかったり、諸事情などで大学での経験が浅かったりする場合は、高校生の時の話をするのはやむを得ないでしょう。ただ、大学時代はなにも頑張らなかったのかな?と思われるリスクもあります。この判断は、企業や採用担当によっても変わってきます。しっかりと戦略を立てて対応していくことが必要でしょう。企業が高校時代に頑張ったことを聞くことはあるのか企業によっては高校時代の頑張りについて質問されることはもちろんあります。実際にESで書くことを求める企業も多く存在し、面接で聞かれた経験のある学生も多いです。大学時代のガクチカとの一貫性、あるいは別の強みが発揮されているかを確認するために、過去の経験も含め確認したいという企業は多いです。また、大学時代の経験が浅い1〜2年生対象のインターンシップ選考では、高校時代のエピソードが重視されることも多くあります。企業が高校時代に頑張ったことを聞く意図企業が高校時代のガクチカを聞く理由は何でしょうか。下記に3つ、質問意図を記しますので、これから高校時代のガクチカを考える際の参考にしてください。意図①再現性があるかどうか意図②人柄や価値観を確認意図③別の強みやスキルの発見意図①再現性があるかどうか1つめの意図として、再現性があるかどうかを見ています。例えば自己PRや大学時代のガクチカで「挑戦」を強みとして伝えているのであれば、高校時代も何かに挑戦していることを期待してしまいます。また「課題解決力」をアピールしたい人は、高校でも何か課題を発見し取り組んだんだろうなと思ってしまいます。これが高校では矛盾したことをしていると、大学時代のガクチカや自己PRはたまたま成果を出せただけなのではないかと疑ってしまいます。意図②人柄や価値観を確認企業は、自社に合うか人かどうかを確認するため、あなたがどんな経験をして、どのように成長してきたかに注目しています。高校時代に経験した挫折や成功体験が、その後の行動や価値観にどう影響したのかを探っています。そのため、高校時代のエピソードを聞くことによって、その人の人柄や価値観を知るため、さらには自社のカルチャーとフィットするかを見極めています。意図③別の強みやスキルの発見これは、もし採用担当が大学時代のガクチカや自己PRを聞いて伝わり切らなかったときに考える視点です。大学時代に頑張ったことがなかったり、自信がなかったりする人も、高校時代なら頑張ってきたのではないかと思い、この質問をするというケースもあります。高校と大学とでは環境が大きく異なるため、どんな環境であれば成果を出したりやりがいをもって物事に取り組めるのかを確認します。ガクチカで高校時代に頑張ったことを伝えるときのポイントガクチカで高校時代に頑張ったことを伝えるときのポイントを3点お伝えします。これからガクチカの作成や面接準備をする人は、ぜひ参考にしてください。ポイント①価値観を伝えるポイント②こだわりを伝えるポイント③なぜ頑張れたのかを伝えるポイント①価値観を伝えるなぜそのことに取り組もうと思ったのか、背景や動機を書いてみましょう。特に、感情、性格、思いなどあなたの価値観や信念が大切なポイントとなります。企業はその点を見極めて自社にマッチする人材かどうかを確認します。事実ベースのガクチカだとなかなかその点が伝わらないため、しっかりと本音で伝えることが伝わりやすくなるポイントとなります。ポイント②こだわりを伝えるその取り組みの中で、特に頑張ったことや力を入れたシーンを伝えましょう。何人で取り組み自分はどんな役目だったのか、どれくらいの時間やエネルギーをかけたのか、どれくらい困難だったのかなどです。もし数値化できるものがあれば数値化してみましょう。読み手や聞き手が鮮明にイメージできるよう、その時のシーンを解像度高く伝えていきます。ポイント③なぜ頑張れたのかを伝えるなぜ高校時代に頑張れたのか、その要因を分析して伝えることも大切なポイントです。人によっては大学時代にガクチカがなかったり、高校時代が一番本気だったりした人も多いのではないでしょうか。そのような人は、なぜ高校時代には頑張れたのか、そしてそれ以降はなぜ頑張れなかったのかという、頑張れた要因を分析し、伝えると、採用担当側も納得感を持つことができます。ガクチカで高校時代に頑張ったことを伝えるときの注意点高校時代のガクチカを伝える際に気を付けたいポイントをお伝えします。下記のような注意点を踏まえてブラッシュアップしていきましょう。注意点①本当に高校時代のガクチカでいいのかをチェックする注意点②事実の羅列で終わらせない注意点③深堀り対策不足注意点①本当に高校時代のガクチカでいいのかをチェックする今、聞かれていることや書くべきことが、本当に高校時代のガクチカでいいのかは大前提確認しましょう。特に指定がないのであれば、基本的には大学時代のエピソードが求められているはずなので、大学時代のガクチカにしたほうが無難です。もしどうしても大学時代のエピソードに自信がないのであれば、我究館のような第三者に相談して、戦略を慎重に考える必要があります。注意点②事実の羅列で終わらせない上記でも記していますが、結果や成果をアピールしたいがあまり、事実しかアピールできていない学生は多い印象です。例えば「部活動の大会で優勝した」「第一志望校に合格した」とアピールする人の価値観や強みは全員同じでしょうか?もちろん重なる点もあるとは思いますが、背景ややりがいポイントは必ず違うはずです。事実を伝えることは大事ですが、同時にあなたらしさも必要となるので、バランスをとることが求められます。注意点③深堀り対策不足面接のシーンで、高校時代のガクチカを聞かれた際には、必ず深堀りの質問が来ます。そういった深堀り質問にも対応できるよう準備できていなければ、なかなか内定までたどり着くのは難しいでしょう。なぜ頑張れたのか、何が一番大変だったのか、課題をどう乗り越えたのか…想定質問だけでも数十個はあります。特に高校時代のガクチカは大学時代よりも昔の経験のため思い出すのに時間がかかります。事前に整理できているかいないかで完成度が大きく変わるので、事前準備をしっかりと行いましょう。高校時代に頑張ったことのガクチカのフレームワーク高校時代のガクチカを書き出してみる上で参考になるフレームワークを紹介します。これを土台にまずは書き出してみましょう。結論背景大変だった点成果・学び構成①結論高校時代のガクチカだろうと大学時代のガクチカだろうと、あるいは自己PRや志望動機でも抑えておきたい絶対的ルール、それが「結論ファースト」です。「結論から話す」という伝え方はビジネスパーソンの基本的かつ重要なスキルです。就活のみならずビジネスシーン全てにおいて、結論ファーストを意識して構成することが必要不可欠です。まず、自分が結論から書けているか、話せているかをチェックする習慣をつけるところからスタートです。 構成②背景なぜそれを高校時代に頑張ろうと思ったのか、背景や動機を伝えましょう。なぜその強みや価値観があるのか。一つのエピソードにしても、なぜそれを行ったのか、それに取り組んでどんな思いを抱いたのかは人それぞれ違ってきます。そこにその人らしさが出てきますので、そういった自分のコアをしっかりと伝えられるようにしましょう。 構成③大変だった点その経験の中でも、特になにが一番大変だったのかを自分視点で伝えましょう。例えば部活動にせよ、受験勉強にせよ、やったことは同じでも大変だった点は人それぞれ違いますし、そこにあなたらしさが表れます。自分がどんなときに大変で、それをどう乗り越えたのかまでセットで伝えていきましょう。構成④成果・学び最終的にどんな成果を出せたのか、どんな学びがあったのかを書きましょう。特に数値化など具体的であるほど伝わりやすくなります。一方、人によっては目標達成ができなかった人も多いでしょう。そんな場合も、それがどんな学びや気づきになったのか、それを通じて今はどうなっているのかという点まで書けると好評価につながります。我究館生の高校時代に頑張ったことのガクチカ事例我究館に通っている学生はどのように高校時代のガクチカを伝えているのでしょうか。ほんの一部ですが、ご紹介していきたいと思います。部活動エピソード勉強やその他エピソード部活動エピソード高校時代、私はサッカー部でキャプテンを務め県大会でベスト4を達成しました。キャプテン就任時は、成績が振るわず、メンバーのモチベーションも低下していました。メンバーのモチベーションが下がり楽しくサッカーができていないと感じた私は、キャプテンとしてチームの意識改革に取り組み、個々の強みを活かす練習メニューを導入しました。また定期的にメンバーと面談を行う1on1を取り入れることでチームの信頼関係と結束力を高めました。結果として、最後の大会では県大会ベスト4という目標を達成し、この経験から、結果を出すためのチームビルディングの大切さを学びました。勉強やその他エピソード私は大学受験で志望校合格を果たしました。両親の影響で○○大学に興味があり、高校2年次から少しずつ勉強を始めました。当初は英語の成績がなかなか上がらないという課題がありましたが、通学時間の音声教材活用と、家庭教師による個別指導を受けることで克服しました。結果として、志望校に合格することができ、隙間時間の活用と自分に合った学習方法が成果につながると実感し、自己管理能力を養うことができました。大学生活での学生時代頑張ったことを探すときのポイント高校時代ではなく大学時代のガクチカを探すときのポイントはどうでしょうか。下記を参考にしながら作成していきましょう。ポイント①絶対内定のワークシートを活用ポイント②困難だった経験ポイント①絶対内定のワークシートを活用何から始めたらいいのかという人は、まず我究館が発行する書籍「絶対内定」のワークシートを活用することをオススメします。日本に自己分析という概念を広めたパイオニア本となっています。94枚のワークシートを活用することによって、経験を棚卸しして整理することができ、自己理解が捗り、ガクチカが書きやすくなります。まずはワークシートを活用しながら材料探しをしていきましょう。ポイント②困難だった経験特に重視されるのは、困難をどのように克服したかというプロセスです。課題に直面した際に、どんな工夫をし、どのように成果に結び付けたかを言語化しましょう。困難の経験はその分成長や学びが多い経験ととらえられます。上記の経験の中から、特に困難だった経験を言語化し、乗り越えたプロセスを伝えていきましょう。ポイント③成果が出たものそして、具体的な成果を出した経験を振り返りましょう。アルバイトでの売上向上、部活動やサークル活動での成果、学業の成績向上、インターンでの課題解決など、数字で表せる実績があると説得力と納得感が増します。仕事とは成果を出すことを求められるため、プロセスと成果の因果関係を意識しながら伝えられると、より効果的です。高校時代に頑張ったことに関してよくある質問下記によくある質問をいくつかまとめました。ぜひ参考にしてください。もしもっと詳しく話を聞きたい場合やより具体的な相談をしたい場合は、我究館の無料説明会でコーチに直接質問をしてみましょう。Q. ガクチカは大学時代と高校時代どっちのものがいい?上記でも伝えている通り、基本的には大学時代のものがいいでしょう。もちろん、大学時代に強調できる経験がない場合は、高校時代のエピソードでも問題ありませんし、高校時代のエピソードのほうが自信を持って話せるのであれば、そちらを選択するのも良いでしょう。しかし、その後「大学時代では何をしていましたか?」という質問は必ずされます。そういった想定質問にも回答できるような準備が必要です。Q. 高校時代に頑張ったことは受験のことでもいい?もちろん、受験勉強も立派なガクチカになります。特に難関校を受験した学生は、高校三年間をまるまる勉強につぎ込んだ人も多いのではないでしょうか。ただし、「どのように工夫して成果を出したか」というこだわりポイントを重視して伝えるようにましょう。厳しい言い方をすれば、受験生は勉強をするのが当たり前です。そのため、特に自分が頑張った点や課題だった点を踏まえ、どう乗り越えたのかを分かりやすく伝えることが求められます。Q. 高校時代も大学時代も頑張ったことがない時はどうしたらいい?高校や大学でガクチカになるような経験をしていないと感じ、焦っている人もいると思います。そんな時の方法は大きく2つです。一つ目は、自信を持って語れるガクチカを作るために、これからインターンやアルバイト、留学などできることをしましょう。とはいえ、「そんな時間も余裕もない!」という人に朗報です。思い出していなかったり、ガクチカには使えないと思い込んでいる経験があるかもしれません。まずは、我究館が発行する就活本「絶対内定」のワークシートに取り組み、これまでの出来事を思い出してみましょう。また我究館でさらに詳しく自己分析をすることで、ガクチカを見つけることができます。我究館の無料説明会で、まずはコーチに相談してみましょう。まとめここまで読んでみていかがだったでしょうか。高校時代の経験でも、成長や学びをしっかり伝えられれば、就活のガクチカとして十分に評価されます。そのためにも上記にあるようなポイントや注意点を意識して作成してみてください。企業は、経験の内容そのものよりも、どのように努力し、何を学び、どう成長したのか、そしてそれがどのように自社にマッチするのかを重視しています。そのため、「特別なエピソードがない」「ガクチカが弱い」と不安に思う必要はありません。皆さんが自信をもって高校時代のガクチカを作れることを応援しています。