就活で避けて通れないのが「エントリーシート(ES)」です。近年ではウェブ提出を求める企業が増えてきましたが、手書きで提出することもできたり、あえて手書きの指示があったりすることもあります。この記事では、30年間で1万人以上の就活生を内定に導いてきた就活塾「我究館」のコーチが、手書きのメリットやデメリット、きれいに書くためのコツをお伝えします。この記事を読めば、自信を持って手書きのESを作成し、提出ができるようになるため、ぜひ最後まで読んでください。目次ESはパソコンと手書きのどちらが一般的なのかESですが、最近はパソコンで作成するのが一般的になっています。特に大手企業やIT企業では、応募の効率化のためにデータ提出を求めることが多いです。一方で、手書きのESを求める企業も一定数存在します。企業によってどちらが望ましいか異なるため、応募要項をよく確認しましょう!企業が手書きのESを求める理由とは企業が手書きのESをあえて求めている場合もあります。一つずつ理由を見ていきましょう。筆跡から応募者の性格をみたい志望度の低い人をふるいにかけたい筆跡から応募者の性格をみたい手書きの文字には、その人の個性や性格が表れると言われています。企業によっては、几帳面さや誠実さを文字から判断することがあります。特に、顧客対応が求められる職種では、丁寧な字を書くことができるかどうかを評価するケースもあります。志望度の低い人をふるいにかけたい手書きは下書きをしたり、間違えたらやり直したりと手間と時間がかかります。志望動機が低い人は手書きのESの時点で出さない可能性もあるため、提出する人は志望度が高い傾向にあると言えます。手書きを求めることで、応募者の本気度を測る意図があります。指定がなかったらパソコンと手書きのどちらを選べばよいのか指定がない場合は、パソコンで作成するのが無難でしょう。文字が読みやすく、誤字脱字のリスクも減るため、読み手にとってもメリットがあります。ただし、企業の社風や業界の傾向によっては、手書きの方が好まれることもあります。事前に企業研究をし、適した方法を選びましょう。手書きのESを求める企業の特徴あえて手書きのESを求める企業には共通した特徴があります。それぞれ確認していきましょう!伝統を重視する企業老舗企業や日本の価値観を大切にする企業は、手書きを求める傾向があります。書類の形式にも厳しいルールがある場合が多いため、細かい指示に従うことが重要です。社員の年齢層が高い企業社員の年齢層が高い企業では、デジタルよりも紙媒体を好む傾向があります。デジタルのESを受け付けるシステムを導入していなかったり、上層部の決裁者が紙での提出を求めるケースもあったりするため、手書きのESが必要になることがあります。志望する学生数が多い企業応募者が多い企業では、最初の選考段階でふるいにかけるために手書きを指定することがあります。手間のかかる手書きを求めることで、エントリーのハードルを上げる意図があります。パソコンのESを求める企業の特徴手書きのESを求める企業もありますが、最近ではパソコンでES提出を求める企業の方が一般的です。パソコンでESを求める企業の特徴を見ていきましょう。一般的な大手企業IT企業やベンチャー企業社員の年齢層が若い企業一般的な大手企業多くの大手企業は、採用プロセスの効率化を図るために、オンラインでのエントリーを標準としています。データの管理がしやすく、文字も均一のため読みやすいからです。IT企業やベンチャー企業IT企業やベンチャー企業では、デジタルツールの活用が基本です。最新技術やスピーディさを重視しているこれらの企業は、ESもパソコンで作成し、データで提出するのが一般的です。社員の年齢層が若い企業若手社員が多い企業では、業務のデジタル化が進んでいるため、手書きのESを求めることはほとんどありません。効率的なエントリー方法が求められます。手書きのESのメリット3選手書きのESを書くことで、パソコンで作成するESにはないメリットが存在します。3つの項目を確認していきましょう!人柄や思いが伝わりやすい写真やイラスト、構成で工夫ができ、自由度が高い相手目線の意識の高さを伝えられる人柄や思いが伝わりやすい手書きの文字には温かみがあり、個性が表れやすいです。丁寧に書かれたESは、採用担当者に好印象を与えることができます。写真やイラストで工夫ができて自由度が高い手書きのESは、デザインに工夫を加えやすいというメリットがあります。企業によっては「イラストや写真を使って自由に表現してください」と指定がある場合があります。イラストを使ったり、レイアウトを工夫したりすることで、オリジナリティを出すことが可能です。相手目線の意識の高さを伝えられる手間をかけて書いたり、郵送するときに受け取り手を配慮した工夫をしたりすることで、企業への敬意や熱意を示せます。相手のことを考えて行動できる姿勢が伝わるのも、手書きの強みです。手書きのESのデメリット3選手書きのESには、パソコンで作成するESにはないデメリットも存在します。それぞれ見ていきましょう。時間と手間がかかる読みにくくなる可能性がある印刷や郵送にお金や時間がかかる可能性がある時間と手間がかかるパソコンと比べて、作成に大きく時間がかかります。下書きをしたり、罫線を引いたり、ミスがあった場合は、最初から書き直したりと、かかる労力は倍以上です。間違えてしまう可能性も考えて、余裕を持って準備することが大切です。読みにくくなる可能性がある字が雑だったり、文字が波打っていたり、文字の大きさが全て同じだったりすると、内容が伝わりにくくなります。読み手の負担を減らすためにも、一画一画丁寧に書くことが求められます。印刷や郵送にお金や時間がかかる可能性があるパソコンで作成する場合はデータ提出が可能ですが、手書きの場合は印刷や郵送が必要になることもあります。その際の印刷や郵送費用は基本的に自己負担です。郵送では到着に数日かかり、天候などによっては遅れが出る可能性があるため、早めの郵送を心がけましょう。到着したか心配になるようであれば、書留などの郵送追跡サービスを利用すると良いですが、その分郵送費が高くなります。ESを手書きするときの5ステップこれから、ESを手書きする時のステップをお伝えします。一つずつ手順を確認しながら、ESを完成させましょう。あらかじめ書く内容を決める事前にレイアウトを決め、罫線を引く鉛筆やシャープペンシルで一文字ずつ下書きをする消えないペンで文字を丁寧に書く下書きを消し、誤字脱字をチェックするStep1 あらかじめ書く内容を決めるまずは、ESに書く文章をパソコンなどで作成すると良いでしょう。文字数制限がある場合はそれ以内に、ない場合はESの記入欄に試しに一行分文字を書いてみて、行数をかけることでおおよその文字数を確認することができます。文字数制限を意識しながら、自己PRや志望動機など質問項目ごとに文章を作りましょう。そもそもESの文章の書き方が分からないという人に向けて、他の記事ではガクチカ・自己PR・志望動機の書き方を解説しています。ぜひ参考にしてください!【例文付き】30分で書ける学生時代頑張ったことのフレームワーク【例文付き】通過するESの自己PRの書き方とは?就活塾のコーチが解説【例文】ES(エントリーシート)の志望動機の書き方|今すぐかけるフレームワーク付きStep2 事前にレイアウトを決めて罫線を引く文字のバランスを整えるために、あらかじめレイアウトを決めましょう。薄く罫線を引くことで、文字のズレを防ぐことができます。Step3 鉛筆やシャープペンシルで一文字ずつ下書きをするいきなりペンで書くと失敗する可能性があるため、まずは鉛筆で下書きをしましょう。文字が書き切れるか確認することができ、内容を確認しながら書くことで誤字脱字を防ぐこともできます。Step4 消えないペンで文字を丁寧に書く下書きが終わったら、ボールペンや万年筆を使って清書します。丁寧に書くことで、読みやすいESに仕上がります。Step5 下書きを消して誤字脱字をチェックする最後に十分にインクが乾いたことを確認してから、鉛筆の下書きをきれいに消し、誤字脱字がないかを確認しましょう。読みやすさを意識し、仕上げを丁寧に行うことが大切です。手書きでESを綺麗に書くときのポイント8つ手書きでESを書くことに自信がない人も多いのではないでしょうか。ここでは、我究館のコーチで書道歴10年の私が、ESを綺麗に書くときのポイントを8つお伝えします。これを押さえれば、読みやすい文章が出来上がること間違いなしです。一画一画丁寧に。「とめ」「はね」「はらい」をしっかり書くタイトルを作り、見やすくする漢字に対してひらがなをやや小さめに書く文頭を揃える箇条書きで読みやすくする改行する記号を使う自由度が高ければ、色や写真、イラストを使う「とめ」「はね」「はらい」をしっかり書く文字を書くときは、一画ずつ丁寧に、細部まで意識するようにしましょう。普段文字を書くときに、自分なりに漢字を略したり、流れるように文字を書いたりする人もいると思います。ここではどんな人でも読めるように、一画ずつ誰でも読めるような字を書くことが大切です。タイトルを作り、見やすくするESの冒頭にタイトルを作るのも、読みやすくするポイントの一つです。手書きではパソコンよりも文字に個性が出るため、読みにくくなりやすいです。そこで例えばガクチカで【ドキュメンタリー映画の上映会の開催】などとタイトルを頭につけると、その後の内容が一気に読みやすくなります。漢字に対してひらがなをやや小さめに書く漢字とひらがなを同じ大きさで書くと、余白がなくなり、窮屈で読みにくい印象を与えます。漢字よりもひらがなを気持ち小さく書くことで、メリハリが生まれ、読みやすさが出ます。文頭を揃える文章の始まる位置を縦で揃えるようにしましょう。段落の始まりのスタートラインと、改行時のスタートラインにそれぞれ縦線で罫線を引いておくと、揃えやすくなります。箇条書きで読みやすくする列挙するポイントを箇条書きすることで、文章が一気に読みやすくなります。例えばガクチカや自己PRで行った施策はいくつかある場合が多いと思います。その際に例えば「私は部員へのヒヤリングと定例ミーティングの開催をしました」と一つの文章にするよりも、・部員へのヒヤリング・定例ミーティングの開催とある方が、一目で分かりやすくなります。改行する改行をすることで、文章の段落が分かりやすくなります。課題、施策、学んだことなど、段落ごとに改行することで、読みやすくしましょう。記号を使う記号を使うのも一つのテクニックです。【】でタイトルをつけたり、▶︎などで施策を列挙したりなど、文章を分かりやすく整理しましょう。ただ、複数の記号を使うと逆にごちゃごちゃした印象を与えてしまうため、多くても3種類ほどに抑えるのがポイントです。自由度が高ければ色や写真を使う「イラストや写真を使って自由に表現してください」と書かれているようなESについては、色や写真、イラストを使って個性を表現しましょう。ここでもポイントは、多用しないことです。視覚情報が増えると、その分ごちゃごちゃした印象を与え、本当に伝えたいことが埋もれてしまうリスクがあります。あくまで自分がアピールしたいことをより分かってもらうための材料として、文字以外の手段で補足しましょう。ESを手書きするときの注意点ESを手書きする際には、意識してほしい注意点があります。ESを書き始める前に、一つずつ目を通しましょう。文章が長くなり過ぎないようにするインクが乾いてから、下書きをきれいに消す消せるボールペンは使わない修正液や修正テープを使わない漢字を略さない指定がなければ、イラストや色は使わない誤字脱字がないか確認する文章が長くなり過ぎないようにする手書きはパソコンに比べて、文字が大きくなるため、文章が溢れないように注意が必要です。鉛筆で試しに一行分書き、何列分かけるか確認するとおおよその文字数が見えてきます。インクが乾いてから下書きをきれいに消すインクは十分に乾かしてから消さないと、インクが伸びて紙が汚れてしまったり、文字が薄くなってしまったりします。また少しでも下書きが残っていると手抜きだと思われてしまうため、最後まで消すようにしましょう。消せるボールペンは使わない摩擦でインクを消せるペンは絶対に使わないでください。容易に修正ができて便利ですが、送る途中で擦れたり、炎天下にさらされたりすることで、文字が消えてしまう可能性があります。万が一第三者によって内容が修正されてしまう可能性もあるため、ボールペンや万年筆など、消せないインクを使用してください。修正液や修正テープを使わない修正液や修正テープを使用すると、誰が修正したのか分からなくなるため、書類の信憑性が疑われてしまいます。酷なことですが、間違えたら最初からやり直しましょう。漢字を略さない画数の多い漢字を普段から略している人もいるかも知れませんが、略すのはNGです。誰でも読めるようにするために、学校で習った通りの書き方で漢字を書きましょう。指定がなければイラストや色は使わない企業から指定がないようであれば、イラストや色は使わない方が無難です。情報量が増えて伝えたいことがぼやけてしまったり、ふざけている印象を与えたりしてしまうためです。誤字脱字がないか確認する書き終わった後は必ず、最後まで読んで、文章中に誤字脱字がないか確認をしましょう。誤字脱字があると、不注意さや知性の低さを感じさせてしまうリスクがあります。間違った文字を正しいと認識していることもあるため、自分でも確認した後に、第三者に読んでもらうことをおすすめします。手書きのESを郵送するときのポイント5つここまできたらラストスパートです。手書きのESを郵送する時にも意識してほしい5つのポイントがあります。送った書類は、自分の代わりに選考を受けてくれる存在です。これができたら会社に「読み手への配慮ができる素晴らしい人」と好印象を与えられるため、ぜひ意識してみてください。可能な限りサイズを統一する書類の角を揃えるクリアファイルに入れる添え状も入れる封筒の宛名や文字、切手も曲がらないようにする可能な限りサイズを統一する異なるサイズの書類は、折るなどして、なるべくサイズを揃えましょう。受け取った時の印象が大きく変わります。書類の角を揃える書類の角は必ず揃えましょう。書類の向きがバラバラだと、読み手はいちいち向きを変えて読まなければいけません。読み手が方向を変えなくても良いように、角まで気を配りましょう。クリアファイルに入れる複数の書類をクリップで止めて封筒に入れるのではなく、透明なクリアファイルにまとめて送るようにしましょう。受け取った人が書類を管理しやすくなります。添え状も入れる書類だけではなく、添え状を入れて相手へのメッセージを伝えましょう。直接面接する時は、「時間を取ってくれてありがとうございます」や礼など、お礼を伝えると思います。書類も一緒です。一方的に送りつけるのではなく、メッセージを添えることで受け取り手が気配りを感じられるようにしましょう。封筒の宛名や文字、切手も曲がらないようにする封筒にも個性が現れます。適当に曲がったまま貼ると、時間をかけずに雑に送っているマイナスな印象を与えかねません。封筒の宛名を書くときは罫線を引くなど工夫しながら、隅から隅まで洗礼された印象を与えましょう。実際の手書きのESをNG例とともに紹介!上のESがNG、下が良いESとなっています。上のESは綺麗な字ではありますが、罫線の縦幅いっぱいに文字が書かれていて、ひらがなと感じの大きさも同じなので、余白がなくて窮屈な印象を与えます。対して良いESは、【タイトル】や箇条書きを利用し、文章が見やすく整理されています。また一画一画丁寧に書かれていて、ひらがなが少し小さめになっていることから、適度な余白があり、すっきりとした印象です。画像引用元:「絶対内定2026 エントリーシート・履歴書」杉村太郎・我究館著 ダイヤモンド社出版まとめここまで読んでいただきありがとうございました!手書きESを求める企業の特徴や書くときのポイント、注意点などを紹介しました。手書きは手間も時間もかかりますが、その分パソコンの文字では伝えられない人柄を感じさせられます。皆さんが手書きでESを書くときに、少しでも参考にしていただけると嬉しいです。我究館では回数無制限の面談を通じて、手書きも含めたESの添削が受けられます。一人で就活することに悩んでいる人は、一度ぜひ我究館の無料説明会にお越しください。