選考が進むにつれて必ず準備しなければならないもの、それが志望動機です。志望動機を考えるプロセスは就活において避けては通れませんし、ガクチカや自己PRと違って他の企業と同じものを話すわけにはいかないので、志望動機を考えるのに苦労している学生も多いのではないでしょうか。この記事では、志望動機の作り方やポイント、構成などを解説していきます。また例文やダメな例も紹介するので、これから志望動機を作成する人はぜひ参考にしてみてください。目次面接の志望動機・志望理由は内定に直結する重要な質問志望動機とは、読んで字のごとく「わが社で働くことを志し、望むようになった動機(理由)」を伝えるものです。その中で本気度や活躍イメージの可否、カルチャーフィットなど総合的に判断されます。この質問にうまく答えることで、他の候補者との差別化が可能になり、採用率もグッと上がってきます。逆に、曖昧な回答であったり準備不足で挑んでしまうと「ウチじゃなくてもよさそう」「活躍できなさそう」「ウチとは合わなそう」と判断され、選考を通過できないリスクが高まってしまいます。面接で志望動機・志望理由を聞く理由面接で志望動機や志望理由はなぜ聞かれるのでしょうか。理由は企業によって異なりますが、今回はその中でも特に大切な点を3つご紹介しますのでご確認ください。 やりたいこととその理由、想いの強さと深さマッチ度チェック準備力と論理的思考力の確認理由①やりたいこととその理由、想いの強さと深さ理由の一つ目として、この会社で何をやりたいのかを聞きたいというものが挙げられます。そもそもあなたがやりたいことは何なのか、そしてそれがなぜやりたいのか。その想いに至った理由や経緯もセットで聞かれますし、自己PRやガクチカの中でも伝えていく必要があります。また、その想いの強さや深さといった点もチェックされますし、そういった点は言葉の節々はもちろん、態度・顔つき・視線・話し方・声のトーンといった非言語の部分でも判断されます。理由②マッチ度チェックまた、会社とどのくらいマッチしているかというマッチ度の確認もあります。会社には必ず企業理念やミッション・ビジョン・バリューといった価値観や大切にしているポイントが存在し、それを実現するために事業が紐づいています。こういった部分への共感がどれくらいなのかをチェックすることでマッチ度を測られます。また、社風や職場環境、企業文化といった点も働き活躍する上で大切な点であるため、どの程度会社とマッチしているか見られるでしょう。理由③準備力と論理的思考力の確認志望動機を話すうえで、業界理解、企業理解はもちろん、自己分析や想定質問の対策は必要不可欠です。仕事は基本的に準備→実行というプロセスなので、それらすべてを準備できているかどうかという総合的な準備力が問われています。また、「なぜ他の業界や会社ではないのか」「君の就活軸だと他の会社でもいいのではないか」という質問が必ず飛んできます。その問いに納得させられるレベルの論理的思考力も求められます。面接の志望動機・志望理由はESや履歴書と同じ内容でいいの?面接の中では、ESや履歴書に書かれた内容を基に深掘りされることが多いです。そのため、基本的には内容は同じで問題ありません。ただし、面接ではその場のコミュニケーションの中で深堀りや補足説明が求められるため、それに答えられる準備をしておくことが求められます。面接ではESでは語り切れない想いや伝えきれないニュアンスの部分を伝える絶好のチャンスでもあるため、面接の流れに応じて、ポイントを強調しつつ、より具体的なエピソードを伝えていきましょう。面接の志望動機・志望理由の作り方それでは面接の志望動機をどのように作ったらよいか、STEP1~4 にわけて解説していきたいと思います。自分のコアを確認するやりたいことを考える上記ができる業界や企業を見つける他の業界、企業ではダメな理由を考えるSTEP1 自分のコアを確認するコアとは、「人生を通じて大切にしたい価値観やこだわり」のことです。就活においては、「就活の軸や企業選びの基準」と言い換えられることもあります。コアは、育った環境、家族、小中高大など、様々な経験から育まれています。コアを言語化することにより、自分自身について伝えやすくなります。STEP2 やりたいことを考えるコアを元に、何がやりたいのかを考えていきます。そこから、社会の中でどんな役割を持ち、どんな影響を与えていきたいのかという点を考えてましょう。それが見つかるまでコアを自己分析する必要があります。あるいは、「自分にはやりたいことがない」と感じる人もいるでしょう。果たして本当にそうなのか、自信がなかったり経験が足りないだけではないか、より本質的な自己分析が求められるフェーズです。STEP3 上記ができる業界や企業を見つけるここから、自己分析ではなく業界研究・企業研究のフェーズに入ります。上記のコアややりたいことを実現するための手段としてどのような業界や企業があるでしょうか。就活サイト、業界地図、四季報、社会人訪問など、見つけるための手段はたくさんあります。アクション量を重ね、リストアップしていきましょう。STEP4 他の業界、企業ではダメな理由を考える自分のコアややりたいことが実現できる業界や会社が見つかったら、そこから志望動機をブラッシュアップしていきます。大切なポイントは、他の業界や企業ではダメな理由です。人によっては業界を絞っていない人もいると思いますので、志望企業の競合他社なども比較検討していきながら、志望企業の志望理由をより強固なものにしていきましょう。面接の志望動機・志望理由で伝えたいこと面接の志望動機では、何を伝えたらよいのでしょうか。今回、様々あるポイントの中で、3つを厳選して紹介します。企業の特徴と自分とのマッチングポイントやりたい+できる他の業界、企業ではダメな理由①企業の特徴と自分とのマッチングポイント志望動機では、企業の魅力的なポイントとあなたの価値観やこだわり、つまり志望するに至ったあなたにとって魅力的なポイントを伝える必要があります。企業の魅力だけを伝えていても太鼓持ちになってしまいますし、自分のこだわりだけを伝えていてもただの自分語りになってしまいます。企業と自分のマッチしているポイントを伝えるようにしましょう。②やりたい+できるやりたいという想いのみでは仕事になりませんし、会社があなたを採用するメリットがありません。やりたいという想いだけではなく、あなたになにができるかという視点を持つことが必要です。やりたいこととその理由、そしてできることとその根拠、このセットは志望企業を伝えるうえで非常に大切なポイントです。③他の業界、企業ではダメな理由その企業である理由は大前提必要不可欠ですが、別の視点として他の業界や企業ではダメな理由も伝えていきましょう。面接で「それって他の会社でもできるよね?」と突っ込まれて、芯を食った回答ができずに撃沈する学生を毎年見かけます。企業を志望する上で、その企業しか見ていないと、なかなかこの問いに答えられません。業界に対し広い視野を持ちながら研究をしていくことが必要です。面接の志望動機・志望理由の伝え方のポイント面接で志望動機を伝える際に、ぜひ意識してほしいポイントがあります。その中でも特に意識してほしいポイントを下記3つ紹介します。過去・現在・未来の一貫性3Sを意識想定質問への回答準備ポイント①過去・現在・未来の一貫性過去・現在・未来においてしっかりと自己理解をするための自己分析が必要不可欠です。過去にどんな経験を行ってきたのかをしっかりと棚卸しし、その経験を経た自分がどんな強みを持ち、逆にどんな弱みを持っているのか。そしてこれからどんな人間となり、社会のどんな課題を解決したり、社会にどんな影響を与えたいのかと、他者よりレベルの高い自己分析が重要です。ポイント②3Sを意識面接の志望動機で意識したい3Sとは、Short(ショート):端的にSimple(シンプル):簡潔にStraight(ストレート):率直の頭文字をとった伝え方です。志望動機を話す際、キャリアビジョン、企業とのマッチングポイント、熱意、強み、他の業界や企業ではダメな理由など様々な要素が必要となってきます。そうするとどうしても話が冗長になってしまったり、自分自身でも何をしゃべっているのかわからなくなってきます。こういうものこそ、「ショートに・シンプルに・ストレートに」を意識しましょう。ポイント③想定質問への回答準備上記の3Sを意識して伝えられると、必ず細かい点を面接官は聞いてきます。それに対応できるように想定質問を事前に考え、伝えられるよう準備することが必要不可欠です。更には、相手の質問を意図を瞬時に判断し、質問に対して的確な答えを返せるようになる訓練が必要です。論理的に考えられているかも問われるので、想定質問はもちろん、想定外質問に対してもロジカルに考え、伝えられる能力が問われます。そのためにもしっかりとトレーニングを重ね対策していくことが必要です。「自信を持って面接に臨みたい」という方向けに、就活塾というものがあります。就活のプロから面接のスキルを上げるためのアドバイスを受けられます。下記の記事でおすすめの就活塾を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。【2024年】おすすめの就活塾人気ランキング10選|料金や口コミを徹底比較面接で通過できる志望動機・志望理由の構成実際に面接で通過できる志望動機はどのように考えればいいのでしょうか。下記に志望動機の構成を紹介しますので参考にしてみてください。結論根拠①その企業の理由根拠②他の業界や会社ではダメな理由展望構成① 結論面接だろうとESだろうと、兎にも角にも結論ファーストです。結論から話すということはビジネスパーソンの基本的かつ重要なスキルです。ESや面接など、全ての段階で「結論ファースト」を意識して、構成をしましょう。伝えたいことが伝わりやすくなります。まず、自分が結論から話せているかをチェックする習慣をつけましょう。構成② 根拠(その企業の理由)結論のあとには、その結論を出すに至った理由や根拠を述べましょう。特にここでは、なぜその企業なのかという点から伝えるようにすると良いでしょう。企業の魅力、そしてそこになぜあなたが魅かれているのか、過去の経験から伝えていくことによって説得力が増します。構成③ 根拠(他の業界や会社ではダメな理由)結論の根拠として、他の業界や企業ではダメな理由も状況によっては必要となります。なぜ他の業界や企業ではないのか述べ、志望企業にしかない魅力を発見し伝えることがポイントです。ここは自分で伝えなかったとしても、面接が進むにつれてどこかで必ず聞かれるあるある質問なので、必ず準備しておきましょう。構成④ 展望志望動機の最後には、将来の展望やビジョンを伝えましょう。自分がその業界や職種を志望する理由や、将来的にどのようなキャリアを描いているのかを伝えていくことが大切です。具体的なキャリアビジョンを設定し、どのように貢献していきたいかを伝えることで、企業側はあなたの成長意欲やキャリアの方向性を評価しやすくなります。また、そのビジョンが企業のビジョンや方針にどのようにマッチするかという点も含めて伝えられると、より説得力が増す内容となります。我究館生の志望動機・志望理由の例文我究館に通っている学生はどのように志望動機を伝えているのでしょうか。ほんの一部ですが、ご紹介していきたいと思います。例文①商社業界例文②コンサル業界例文③金融業界例文①商社業界私は、新興諸国の経済的な発展に直接的に貢献したいと考え商社業界を志望しています。また、様々な関係者をまとめながら、自分の行動力やアイデア力を発揮するという武器を活かせると考えています。私はこれまで大都市でしか生活をした経験がなく、留学で訪れた台湾で目にした若い活気に満ちた街の様子に衝撃を受け、このような新興国が今後発展していくその成長の渦に関わりたいと考えるようになりました。それはこれまでの経験から、多様な価値観をもった人々が一つのことを成し遂げることにやりがいを見出せると感じたからです。自身の能力を最大限に発揮し、貴社と共に成長し、世界に貢献していきたいと思い、商社業界を志望しました。(297字)例文②コンサル業界私自身の強みである「タフに前に進める力」を活かし、人の魅力を引き出していきたいという軸に合致していると考えたからです。幼い頃から10年間ダンスに励み、自分の踊りと向き合ってきました。大学ではチアダンスチームで、自走するだけでなく、部員に対してトレーニングや表現等、個人の良さをチーム演技に活かすためにマネジメントし、責任を持つ事に楽しさを感じてきました。この経験から私には自分やチームを「タフに前に進める力」があると考え、これを活かしてクライアントの魅力を最大限引き出し、成功に導けるコンサルタントになりたいと思っています。自身の目指す将来像と業界との適合性の高さから、コンサル業界を志望しています。(299字)例文③金融業界志望理由は2つあります。1つは、日本の企業の支えとなり日本経済の活性化に貢献できるからです。両親が経営者である家庭で育ち、日々経営課題に直面し苦悩している姿を見てきました。そこから、自分の働きによって企業や経営者の支えになりたいと考えるようになりました。2つ目は、大きな成長機会があるからです。説明会や社会人訪問を通じ、日々変化する金融市場という環境に身を置き、金融業界で働く志の高い社員と協働することで経済のエキスパートとして精通できると考えています。私自身の高い成長意欲と信頼関係構築力を発揮し、高い目標に向かって日々挑戦と努力ができると思い、志望しました。(281字)通過できない面接の志望動機・志望理由のNG例通過できない面接の志望動機には下記のような特徴があります。今回は3つ紹介しますので、自分の志望動機が該当していないかチェックしましょう。やりたいという想いのみ会社の魅力のみを伝える想定質問対策不足NG例① やりたいという想いのみよく「○○がやりたいから」「○○が好きだから」という理由のみで志望動機を伝えてくれる学生がいますが、その想いだけだと面接通過は難しいです。なぜなら、会社や仕事は、働いて価値を出してもらう場所であって、あなたの欲望を満たす場所ではないからです。別の伝え方をすると、やりたい想いのみでは仕事にならないし、会社があなたを採用するメリットがありません。やりたいだけではなく、なにができるかという視点を持つことが必要です。NG例② 会社の魅力のみを伝える志望企業の魅力のみを伝えてしまう、太鼓持ちになってしまっている学生がいます。太鼓持ちとは、人に媚びへつらい、機嫌を取って好かれようとする人のことを指します。企業の魅力を伝えることも必要ではありますが、それ以上に、なぜあなたにとって魅力的なのか、なぜあなたは素晴らしいと思ったのか、という点を企業は聞きたいということを確認してください。NG例③ 想定質問対策不足志望動機を聞くだけの面接などありません。必ず、深堀りの質問が来ます。そういった深堀り質問にも対応できるよう準備できていなければ、なかなか内定までたどり着くのは難しいでしょう。なぜその就活軸なのか、なぜ他社ではないのか、うちでどんなことをしたいのか…想定質問だけでも数十個はあります。それらを準備していくなかで、確固たる志望動機が作られていくので、こういった準備も確実に実施していきましょう。面接の志望動機・志望理由でよくある質問面接の志望動機でよくある質問にお答えします。もっと聞きたいという方は、ぜひ我究館の無料説明会にお越しいただき直接コーチに質問してみてください。面接の志望動機・志望理由はどのくらいの長さで話したらいい?第一志望企業でない場合も第一志望ですと伝えた方がいい?他に受けている企業を聞かれたら素直に答えた方がいい?面接の志望動機・志望理由はどのくらいの長さで話したらいい?基本的には1分程度が良いでしょう。短すぎると情報が伝わりにくく、逆に長すぎると冗長に感じられることがあります。1分程度は文字に起こすと大体300字程度になります。300字もあれば、概要を伝えることができます。面接の場合、そこから必ず深堀りの質問がされるので聞かれたら答える、というような対話が大切です。短すぎず、長すぎず、答えていきながら対話をしていきましょう。第一志望企業でない場合も第一志望ですと伝えた方がいい?第一志望企業でなくても、第一志望ですと伝えたほうが良いと思います。なぜなら、「第一志望ではありません」というメリットがないからです。恋愛に例えるとわかりやすくなりますが、告白する際に「一番好きってわけではないけど付き合ってください」といって、相手は付き合いたいと感じるでしょうか。どの企業に対しても、第一志望ですと伝えることとその理由を考えておくことは、就活におけるマナーと言っても過言ではないでしょう。他に受けている企業を聞かれたら素直に答えた方がいい?他社の状況について、基本的には素直に答えて問題ありません。嘘をついたり盛ったりする必要もありません。しかし、答えなくていいことは無理に答える必要はありません。例えば、人によっては就活軸と全然違うところを受けていたり、年収や福利厚生、知名度などで受けている会社もあるのではないかと思います。そういった会社を伝えることによって、就活軸とのズレやキャリアビジョンの乖離が発生し、企業側は違和感を抱いてしまいます。嘘をつく必要はありませんが、話すことは戦略的に考えましょう。トップ内定できる志望動機・志望理由を作るなら第一志望内定率93.4%の就活塾『我究館』へここまで記事を読んでみていかがでしょうか。まとめると、志望動機において改めて大切な点は次の3つです。①過去・現在・未来に一貫性を持たせた自己理解ができていること②その企業の理由および他の企業や業界ではダメな理由が明確になるまで企業研究ができていること③そして面接練習を重ねて回答内容に磨きをかけ、自信をつけることそれらのレベルを上げていくために最も効率的な方法は、フィードバックをもらい、どんどんブラッシュアップを重ねることです。ぜひ、第一志望内定率93.4%の就活塾『我究館』の無料説明会で就活のプロに相談してみてください。