企業の採用エントリーをするときに、エントリーシート(ES)で「学生時代に最も力を入れて取り組んできたこと(ガクチカ)」という質問をよく聞かれます。アルバイト経験をテーマにガクチカを書きたいと思っている人も多くいらっしゃると思います。この記事では、ESにアルバイトをテーマとしたガクチカを書く時のポイントや注意点、書き方を紹介していきます。これを読めば、アルバイト経験を活かして自分の魅力がアピールできるようになり、ESが通過しやすくなるため、ぜひ最後まで読んでください!目次ESでガクチカとしてアルバイト経験を書いてもいい?最初に、そもそもアルバイト経験をガクチカに書いてもいいのか迷っている人もいらっしゃると思います。アルバイトの話は似たり寄ったりになりがちで、差別化ができるか不安ですよね。正解は「もちろん大丈夫!」です。他の就活生と差別化するために大切なのは、「話の厚み」です。ポイントを押さえれば、一般的な業務内容や結果でも、他の就活生と差別化して、自分の魅力をアピールすることができます。この記事では、そのポイントを一つずつ紹介していきます。採用担当者がESのガクチカで注目するポイント2選ESを書くうえで最も大切なのは、採用担当者が見ているポイントを押さえて、アピールすることです。企業の採用担当者はESのガクチカを通じて、応募した学生のどのようなことを知りたいのでしょうか。採用担当者が注目するポイントを2つご紹介します。人柄や価値観が求める人物像に一致しているかどのように困難に立ち向かったか人柄や価値観が求める人物像に一致しているか採用担当者は「人柄や価値観」を見ています。企業には「求める人物像」があり、それに合った人を選ぶためです。社員を選ぶ上で、自社と価値観が合うことや、一緒に働きたいと思われる人柄を持っているか見分けることが大切です。それを判断するために、「何をしたか」だけではなく、「なぜしたのか」「何を学んだのか」という観点を求めています。どのように困難に立ち向かったかまた「どのように困難に立ち向かったか」という点も重要です。企業は、予想外のトラブルや困難を乗り越え、継続して働ける人を求めています。エピソードを通じて、困難を乗り越える忍耐力があるかというところと、どのように解決をする人なのかというところを見ています。ESに書ける!アルバイトのガクチカでアピールできる強み10選ESにおいて大切なのは、エピソード自体ではなく、エピソードを通じて企業の求める人物像に合っていると、魅力をアピールすることです。ここでは、アルバイト経験を通じてアピールできる強みを10個紹介します。リーダーシップ協調性問題解決能力逆境力継続力アイデア力主体性責任感挑戦心柔軟性リーダーシップリーダーシップは、企業でチームとしてプロジェクトを遂行していく中で大切な能力の一つです。長くアルバイトをしていると、アルバイトのリーダーを任せられることがあります。一口にリーダーシップと言っても、全体を率いたり、縁の下の力持ちとしてサポートしたりと、色々あります。リーダー経験を紹介しつつ、自分のリーダーシップは何なのか、またリーダーとしてチームをまとめる上で必要なことを学びとして書くと良いでしょう。協調性アルバイトを通して、協調性をアピールすることができます。企業は様々なバックグラウンドを持つ社員と働くため、高い協調性が求められます。そこでアルバイト経験を通して、他の従業員とどのようコミュニケーションを取ってきたのか、一つの目標を達成するためにどのように協力してきたのか書くことが有効です。問題解決能力アルバイトで直面した課題やトラブルを解決したというエピソードを通じて、問題解決能力をPRすることができます。企業で働く中でも課題はトラブルはつきもので、解決する力のある人材を求めています。この能力があると伝えたいときは、なぜそこに問題意識を感じたのかと、その解決方法を取ったのかという点を書くようにしましょう。逆境力困難な状況でも心折れずに乗り越えることができる「逆境力」も伝えることができます。アルバイトの時に困難やアウェーな状況に、諦めかけるという経験はありませんでしたか。その状況を乗り越えた場合、逆境でもどういう心持ちだったのか、なぜ乗り越えられたのか、そこから得た学びは何だったのかを書くと、良いアピールになるでしょう。継続力アルバイトを長く続けると、継続力のアピールになります。企業は長く勤められる人材を求めています。そのため、一つのことに長期的に取り組んだということが評価に繋がるでしょう。アイデア力アルバイトの中で、企画をしたり、提案したりした経験を書くと、アイデア力を伝えられます。企業では課題に対して、柔軟な発想で乗り越えることが求められます。そのため、アイデアの引き出しが多いことは良いアピールになるでしょう。どんなアイデアを出したかという点も大事ですが、アイデアを生み出すためにした工夫や心掛けていることなどが加えられると、説得力があってなお良いです。主体性アルバイトで自ら行動した話をすることで、主体性をアピールできます。企業で働くと常に新しい課題が出てくるため、自ら考えて行動するという力はとても大切です。アルバイトにはマニュアル通りに動くことが求められますが、それ以上に自ら工夫して取り組んだことが言えると、考えて動けることが伝えられます。責任感アルバイトで任せられた仕事を最後までやり切った、誠意を持って取り組んだという経験を通して、責任感をアピールできます。社会人になると、アルバイトよりもさらに大きな責任が伴います。任せられた仕事は締め切りを守り、最後まで取り組む必要があるためです。挑戦心アルバイト経験を通して、挑戦心をアピールするのも良いでしょう。企業では受け身で仕事をするのではなく、新しいことにも積極的に挑戦する姿勢が求められます。例えばコミュニケーション能力をあげたくて接客アルバイトに挑戦したり、アルバイト業務の中で慣れない仕事をやったりしたというエピソードも良いです。柔軟性アルバイトで柔軟に自らを変化させられる姿勢は、良いアピールポイントになります。社会人でもアルバイトでも、業務や顧客など様々な状況・条件に応じて、姿勢を変化させる必要があります。例えば、接客アルバイトでお客さんに応じて対応を変えたり、先輩にアドバイスをもらってやり方を変えたりするという話も、柔軟性をアピールする上で良いエピソードになるでしょう。ESのガクチカに書けるアルバイト複数のアルバイトをしてきた人も多いと思いますが、全てがガクチカに使えるとは限りません。ここではガクチカに使えるアルバイトを3つ紹介します。長く続けたアルバイト成果や結果を出したアルバイト有給の長期インターンシップ長く続けたアルバイト一つ目は「長く続けたアルバイト」です。就職活動では、面接で様々な質問をされても答えられるエピソードを用意する必要があります。経験した期間が短いと、ESは通過しても、面接で聞かれると、内容が薄くて言葉に詰まってしまうかもしれません。一日や1週間で辞めたようなアルバイト経験ではなく、それ以上に長く勤め、深く業務に携わってきたアルバイト経験を選びましょう。成果や結果を出したアルバイト二つ目は「成果や結果を出したアルバイト」です。ガクチカでは、自分が行動をして、結果を出したというエピソードが求められます。そのためいくら長く働いても、全く変化がなく、受動的にやっていたアルバイトでは、話せる内容がないです。複数のアルバイトから、どれを選べば良いか分からないという場合はまず、自分で行動し、結果を出したものを選びましょう。有給の長期インターンシップ三つ目に「有給の長期インターンシップ」の経験を、アルバイトとして書くこともできます。書き方はアルバイトと同じで、目標に対してどんな行動を取り、困難をどう乗り越えて結果を出したかというものです。アルバイトという括りでは書くことがなくても、インターンシップに視野を広げて書くことができることを覚えておきましょう。ESのガクチカでアルバイト経験を書く時のポイント3選ESのガクチカの設問にアルバイト経験を書くときには、下記3つのポイントを意識しましょう!経験をしっかりとアピールできるようになります。定量的・定性的に結果を示す行動とともに、思いも書いて差別化をする企業の「求める人材」に合わせて、経験から得た学びや強みを書く定量的・定性的に結果を示すガクチカでは成果を出したことをアピールするために、定量・定性的に結果を示しましょう。定量で言えば、「全体の平均を20%上回る営業成績を残した」「第一志望校に合格する生徒を◯人に伸ばした」などです。定性だと「店舗内で最もホスピタリティのあるアルバイトに贈られる賞を受賞した」など、数字に表せなくても、客観的な事実で成果をアピールしましょう。こういった表現を使わず、「大きく」「すごく」という抽象的な言葉を使ってしまうと、読み手によって解釈が異なるため、正しく受け取ってもらえません。行動とともに、思いも書いて差別化をするガクチカを書くときに、何をしたかという事実だけを書くのではなく、「思い」が大切だということをご存知でしたか。面接官はESを読んで、価値観や人柄を知ろうとします。そのため、思いという部分が、価値観や人柄を知る上で重要なポイントになってきます。例えば営業のアルバイトの話で、「商品説明だけではなく、お客さんとの雑談を積極的にした」と書いたとします。それだけでは正直、その行動を取った理由が伝わりません。そこで冒頭に「雑談を通じてお客様の性格や好みに合った提案がしたいと思い」と加えると、一気に傾聴力やコミュニケーション能力の高さをアピールできます。思いを書いて、他の就活生と差別化をしましょう。企業の「求める人材」に合わせて、経験から得た学びや強みを書く企業の求める人材像に合わせて、アルバイト経験から得た学びや強みをアピールすることが、内定への近道になります。すべての企業には、企業理念や社風に合わせて「求める人物像」というものがあります。採用ページに書いてあったり、理念から読み取れたりするため、ESで文章を書く前には必ず確認をしましょう。例えば大手商社の三菱商事は、求める人物に必要な要素として4つの能力を上げています。うち一つが「国や業界を超え関係者を巻き込みスピーディに構想を実現する『実行力』」です。これを踏まえて、実行力に絡めた学びや強みを書くと、求める人物像に合っているとアピールできるでしょう。ESのガクチカにアルバイト経験を書くときの注意点3つESのガクチカの設問にアルバイト経験を書くときの注意点を紹介します。専門用語を使わない店舗名や機密情報を書かない短期のアルバイト経験は書かない専門用語を使わない一つ目は、アルバイト先の専門用語を使わないようにしましょう。アルバイト先では当たり前のように使われている専門用語は、外の世界で通じないことがよくあります。例えば「フロアスタッフ」「ホールスタッフ」といった言葉は、店舗によって仕事内容が違うことがあります。読み手はアルバイトを全く知らない人だということを忘れずに、誰にでも伝わる言葉で文章を書きましょう。店舗名や機密情報を書かない二つ目に、店舗名や機密情報は絶対に書かないようにしましょう。アルバイト先を書くときは具体的な店舗名ではなく、「牛丼チェーン店」「コンビニエンスストア」「スポーツジム」などといった、ジャンルで構いません。また成果を数字で書くことは大事ですが、具体的な売り上げ金額など、企業の機密情報を書くことは避けましょう。アルバイト先にも迷惑がかかりますし、会社にとっても企業情報を漏らすリスクがある人を取ろうとは思えません。短期のアルバイト経験は書かない最後に、日雇いや1週間など短期間のアルバイトは書かないようにしましょう。理由は、面接での深掘り質問に耐えられないからです。面接では、ESの内容を元に細かく質問をされます。短期だと話す内容が薄くなり、面接官の質問に耐えられません。自信を持って話せるくらい、多くの経験ができたアルバイト経験を書くようにしましょう。ESにアルバイトをテーマにしたガクチカを書くときの基本的な構成一般的なガクチカの構成を紹介します。皆さんのアルバイト経験を、下記の構成を意識して書いてみてください。①結論何に取り組みましたか?②動機なぜ取り組もうと思ったのですか?③目標と困難どんな目標を掲げ、どのような困難に直面しましたか?④取り組みと結果困難を乗り越えるために、どのような行動を取り、どのような結果を得ましたか?⑤学び何を学び、どのように社会に活かしますか?内定を得た我究館生がESに書いたアルバイトのガクチカ例を紹介!学生時代に頑張ったことは、携帯電話ショップの営業アルバイトです。お客様一人一人の状況にあった接客を意識した結果、営業成績で店舗1位となり、表彰されました。コミュニケーションへの苦手意識を克服したいとの思いで始めました。始めた当初は、商品説明をすることにこだわり、最後まで話を聞いてもらえず、契約が取れませんでした。少しでも成長したいと思い、営業成績が良い従業員の営業を観察し、様々なやり方を試しました。その中で、最初のヒヤリングでお客様の悩み事を特定し、商品を通じて解決できると伝えることが大切だと気づきました。その結果、徐々に契約件数も増え、半年で店舗内の営業成績1位になりました。この経験で培ったニーズを聞き出す傾聴力を活かして、入社後も顧客に寄り添った営業をしていきたいです。まとめ:【例文あり】アルバイトをガクチカとして書くときのポイントを解説!この記事ではアルバイト経験をテーマにしたガクチカをESに書くときのポイントや注意点を紹介しました。大切なのは、アルバイトの内容ではなく、思いや学びです。企業の求めている人物像から逆算して、うまく見せ方を工夫しながら書きましょう。ここまで読んで、「ESに書けるエピソードがない」「アルバイトはしてきたが、何をアピールしたらいいか分からない」とお困りの方もいらっしゃるかもしれません。これまで1万人以上の就活生をサポートしてきた就活塾「我究館」では、自己分析を通じて一人ひとりの強みを引き出したり、プロのコーチによるES添削などを行ったりしています。無料のオンライン説明会では、我究館のコーチに実際に就活の悩み相談ができます。まずは一度、就活のプロに相談をしませんか?