エントリーシート(ES)では長所・強み以外にも、短所や弱みを聞かれることがあります。短所の選び方や書き方次第ではマイナスな印象を与え可能性があり、難しい設問です。ただ、短所の選び方や表現方法によっては自分の魅力をアピールすることができます。この記事では就活塾の講師が、短所の選び方や書くときの注意点を解説し、短所別の例文を紹介します。ポイントを押さえれば、短所で良い印象を与えることができ、書類選考が通過しやすくなるため、ぜひ最後まで読んでください。目次ESで企業が短所を聞く理由ESで設問に合った答えを書くには、企業側がなぜ聞くのか、何を知りたいのかという狙いを考えることが有効です。企業はなぜ「あなたの短所は何ですか」と問うのでしょうか。企業の狙いを見ていきましょう!自己分析ができているか短所に向き合い、対策しているか企業の求める人物像にマッチしているか自己分析ができているかESにおいて短所を聞く理由は、自己分析ができているか把握するためです。短所と過去の失敗体験を一貫性を持って話せれば、説得力を持たせることができ、自己分析ができていると見られます。自分を客観的に分析できていると示せることで、自分の適性に合った企業選択をしていると判断してもらえます。短所に向き合い、対策しているか企業は、短所を自覚し、補ったり、克服したりするための対策をしているかというところを重視しています。企業では、異なる長所や短所を持つ人と協働することが求められます。短所に向き合っている姿勢を示れば、入社後に困難に直面しても、めげずに努力できるという姿勢をアピールすることができます。人は誰しも、短所があります。完璧な人はいないため、設問に「短所はありません」とは書かないようにしましょう。企業の求める人物像にマッチしているか企業の求める人物像に合った短所をアピールすると、ESの通過率が上がるでしょう。企業には理念や社風、応募職種やポジションに合わせて、求める人物像があります。求める人物像は、求人情報に書いてあることがあります。例えば、NHKの記者職の求める人物像の一つに「フットワークが良く、好奇心旺盛な方」とあります。ESで「優柔不断」という短所を書くと、「行動が遅い」というマイナスな印象を与え、スピードが求められる記者職には不向きだと判断される可能性があるでしょう。その反面「せっかち」だと「行動が早い」という印象があり、より同社の人物像に合っていると考えられます。企業に合わせて、嘘の短所を作る必要はありません。ご自身にある複数の短所から、より企業の人物像に合ったものを選びましょう。ESに書く短所の見つけ方ESに短所を書くために、まずは自分の短所を自覚することが大切です。短所の見つけ方はいくつかあるので、一つずつ方法をお伝えします。心当たりがある短所をとにかく書き出す失敗経験を振り返り、原因から短所を探す長所の逆を考える家族や友人に聞いてみる企業の求める人物像に合わせて考える自己分析に取り組む自己分析ツールを使う心当たりがある短所をとにかく書き出すまずは自分自身に心当たりがある短所を、思いつく限り書き出してみましょう。単語で見当たらなければ、自分の苦手なことや嫌いなところを文章で書き、後で当てはまる単語を探しても構いません。一通り書き終わったらリストにし、短所が原因の失敗エピソードも考えてみましょう。失敗経験を振り返り、原因から短所を探す失敗経験の原因に、自身の短所があることも少なくありません。過去にあった失敗経験を振り返り、自分にどんな原因があったか考えてみましょう。例えば、「第一志望校に落ちた」という苦い経験の原因が「苦手な教科の勉強を怠った」なら、「計画性のなさ」という短所が見えてきますよね。失敗経験を考えると気持ちが落ち込むかもしれませんが、誰かに壁打ちを付き合ってもらったり、将来の自分のためだと言い聞かせたりして向き合いましょう。長所の逆を考える長所から、対になる短所を考える方法があります。短所を見つめると自信がなくなりますが、自分の長所であれば苦なく出てきませんか。例えば「好奇心が旺盛」という長所がある人は、反対に「飽きっぽい」という短所を持っていることがあります。まずは長所をリストアップしてみて、反対にある短所を考えてみてください。家族や友人に聞いてみる自分のことをよく知っている家族や友人の方が、短所をよく知っていることがあります。短所とその理由となるエピソードを同時に聞いてみましょう。また、短所だけ聞くと自信を失う可能性があるため、一緒に長所を聞くと関係性が悪化しないでしょう。企業の求める人物像に合わせて考える企業の求める人物像に合わせて、短所を考えることも有効です。企業の求人に、求める人物像が書かれていることがあります。その人物像が求める素質と対になる短所だと、マイナスな印象を与えません。例えば、ニトリは「高い志をもち、日々挑戦し続ける人」という人物像を求めています。「向上心・挑戦心」という素質と対になる短所として、「完璧主義」「自分を追い込み過ぎる」という言葉が考えられます。企業に合わせて、自分にない短所を作る必要はありません。企業の求める人物像から、自分の中で思い当たる短所を考えてみましょう。自己分析に取り組む自己分析に取り組み、短所を探すことも有効です。自己分析では、様々な質問に答えることで、自分の価値観や長所・短所を見つけることができます。日本に初めて自己分析を広めた我究館が発行する本「絶対内定」を使い、自分の短所を導くためのワークシートに取り組むと、一人では気づけなかった自分の短所を知ることができます。自己分析ツールを使う質問に答えることで短所や価値観を知ることができる「自己分析ツール」も有効です。インターネットで自己分析ツールと調べると、無料・有料で受けられるツールが検索できます。大手人材会社など、信頼できる企業が提供する自己分析ツールを受けてみて、客観的な分析結果を参考にすると良いでしょう。ESに適した短所の例ESで書いてもマイナスにならない短所をいくつかご紹介します!以下の短所はESで書いても伝え方次第ではマイナスになりにくいです。自分に当てはまりそうなものがあったら、ぜひ後述する短所の伝え方も参考に伝え方を考えていきましょう。優柔不断心配性せっかちマイペース緊張しやすい計画性がないおせっかい頑固完璧主義八方美人神経質ESで上手に短所をアピールするためのポイントESで短所を書く際は下記のポイントを踏まえて書くと、良い印象を与えられるでしょう。企業の求める人物像に合った短所を選ぶ短所や文章の表現に気を遣い、マイナスな印象を与えないようにする短所を補うための対策や行動を書く企業の求める人物像に合った短所を選ぶ企業の求める人物像に合った短所を選ぶと、適性があると判断してもらえます。思いつく短所を書く前に、まずは一度企業の求める人物像を確認してから、合ったものを選びましょう。先ほども例としてあげましたが、「フットワークが良く、好奇心旺盛な方」を求めているNHKの記者職であれば、「せっかち」といった機動力をアピールできる短所だと良いでしょう。企業に合わせて、嘘の短所を作る必要はありません。ご自身にある複数の短所から、より企業の人物像に合ったものを選びましょう。短所や文章の表現に気を遣い、マイナスな印象を与えないようにする短所はマイナスな印象を与える可能性があるため、選び方や表現方法に十分に気を遣う必要があります。短所として「視野の狭さ」を伝えるなら「熱中しすぎて視野が狭くなる」というように、熱意があるという長所の裏返しであることが分かると良いですね。長所があるからこそ、その裏にある短所があっても仕方ないと思われるような書き方なら、相手も納得できるでしょう。短所を補うための対策や行動を書く短所を補うための対策や行動を書くことで、問題解決能力をアピールすることができます。短所を自覚し、対策が取れている人は多くありません。そのような中、普段から意識し、行動が取れていると、問題解決能力があると好印象を抱かせることができます。また、短所をカバーするために取っている行動が、長所に繋がることがあります。私は心配性という短所から、ミスをしないために何度も確認をするため、ミスが少ないことを褒められることがあります。今は対策していない人も、これをきっかけに行動を変えていきましょう。ESに短所を書くときの注意点ESに短所を書くときは、マイナスな印象を抱かれないように、短所の選び方に気を付ける必要があります。2点の注意点をお伝えします。社会人として致命的な短所は書かない表面的な短所は避ける社会人として致命的な短所は書かない短所によっては、社会人として致命的な欠陥と判断され、落とされてしまうことがあります。例えば「約束が守れない」「時間にルーズ」「感情の起伏が激しい」「サボり癖がある」「約束を守れない」などは、責任ある仕事を任せることが不安になる短所ですよね。社会人として組織で働く上でやってはいけないことを短所に書くことはやめましょう。表面的な短所は避ける自分のことをしっかりと分析できているということを示すために、表面的な短所を書いて乗り切ろうとすることはやめましょう。表面的な短所とは、「忘れ物が多い」「遅刻癖がある」といった、短所を起因とした行動を書くことです。「忘れ物が多い」のも、根本の原因を考えると、「計画性のなさ」という短所が原因で、時間に追われて確認作業を行なっているからかもしれませんよね。行動の原因となる性格まで掘り下げましょう。短所の書き方短所の書く際は、下記の構成に当てはめて考えると書きやすいです。【結論】私の短所は〇〇です。【具体例】① 短所が原因となった失敗談私は〇〇で、〇〇してしまったことがあります。② 短所を克服するためにした意識や行動〇〇が原因だと考え、〇〇をするようにしました。③ ②の改善・対策をした結果結果的に、〇〇といった変化が生まれました。【学び・現在取っている意識や行動】この経験から、〇〇することを学びました/普段から〇〇することを意識しています。ESで短所を書くときの例文ESで短所を書くときの例文をご紹介します。これを参考に、ご自身のエピソードを踏まえながらオリジナルの文章を作ってみてください。心配性登山部の活動で、出発直前に心配になり、地図や装備を何度も確認し、チーム全体の出発を遅らせてしまったことがあります。この経験を踏まえ、事前に計画を立て、必要な準備と持ち物をリスト化することで、確認作業を効率化しました。また、メンバーとの役割分担を明確にし、全体の準備時間を短縮することができました。この改善によって、チーム全体がスムーズに行動できるようになり、登山の成功率も向上しました。現在でもチェック項目を可視化して不安を和らげ、丁寧な確認作業をすることを心がけています。1人で抱え込みやすいサッカー部でキャプテンを務めていた際、チームの問題を自分一人で解決しようとし、メンバーに相談できなかったことがありました。その結果、ストレスが溜まって会話が減り、チームの士気にも影響を与えてしまいました。この経験から、仲間とこまめにコミュニケーションを取り、問題を共有することの大切さに気づきました。その後はチーム全員で意見を出し合い、解決策を見つけるように心がけた結果、チームの連携が強まり、試合でも良い成果を上げられるようになりました。今では、チームワークを大切にし、問題を分担して解決することを意識しています。八方美人バスケットボール部で副部長をしていた際に、部員に嫌われたくないという思いから、個々の課題をはっきりと伝えられなかったことがありました。その結果、チーム内で指摘し合う雰囲気が生まれず、試合で勝ち進むことができませんでした。強豪校の姿勢から部員同士で指摘をする大切さを学び、部員の気持ちを考えながら、課題を指摘してアドバイスをしたところ、部員に「アドバイスをありがとう」と感謝されました。今では相手の気持ちを察せる強みを活かし、相手が不快にならないような伝え方をして、チームに貢献しています。飽きっぽい塾講師のアルバイトを数年続けるうちに意欲が低下し、授業に対する生徒の満足度評価が下がったことがありました。塾長から「今の目標は?」と聞かれ、目標がないまま授業をこなしていたことが原因だと気づきました。そこで生徒に面白いと思ってもらう授業をするために、毎授業新しい知識を教えるという目標を立てて実行した結果、生徒の満足度が回復しました。現在では自分の関心を持ち続けるために、変化を楽しむことを意識しながら、責任を持って物事を行なっています。せっかちカフェのアルバイト時代、店の混雑時に焦ってしまい、注文内容と異なるドリンクを提供してクレームを受けたことがありました。以降、注文を読み上げてお客様に確認し、ドリンク作成後も改めて注文票を見ることで、ミスがなくなりました。また、余裕も生まれてお菓子のおすすめもできるようになりました。この経験から工程に確認作業を組み込むことで、ミスが減り、効率性の向上に繋がることを学びました。まとめESで短所を聞く理由や見つけ方、書くときの注意点、例文を紹介させていただきました。短所の質問はマイナスな印象を与える可能性があり、難しい設問です。一方で、言葉選びや書き方に気をつけたら長所や問題解決能力をアピールするための機会にもなります。短所が見つからない...という方はまず、我究館の「絶対内定」のワークシートを使い、自己分析をしてみましょう。また我究館では自己分析のお手伝いができるほか、ESの添削も行っています。我究館を使って効率的、そして確実に、第一志望内定を勝ち取りましょう!